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暗闇で恋しましょう

第18章 回顧③

もちろん、激しく拒否反応を起こす少女。


背は既に壁に当たっているだろうに、まだ下がろうと奮闘している。


これ以上近付くのは無理と判断し、足を止める。


そして、どう渡すかと思案する。


俺の手からは絶対取らないだろうから、手渡しは無理。


かと言ってこれ以上近付けないとすると、少女が取れる距離にこれを置くことも……


いや、それならできる方法が1つだけあるな。


少女の足元辺り、あそこを狙ってバスタオルを放ればいい。


そこに置かれたバスタオルを取るかどうかは少女次第になるが。


力の加減を誤れば、少女の元までいってしまう。


そうなってしまえば、俺への恐怖値はさらに上がるだろう。


ただでさえ、あるものをこれ以上上げたら、ただでさえ、期待薄なのに。


もう一生心なんて開いてくれないかもしれない。

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