テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第3章 貴方の優しさは私の本音を隠す

ふふと思い出し笑いをすれば、水上さんは苦虫を噛み潰したような顔をした。



「それ、本当、忘れて欲しい」

「忘れませーん」

「......はぁ....」



いつになったら、どうすれば、ぶつぶつ呟いている水上さん。


またもふふ、と笑いが零れる。



「あー、もう。この話題、やめやめ。ご飯にしよう。ご飯に」



そういえば、そうだった。


それで私は起きたんだった。


なんでこんな流れに.....


考えて、ハッとする。



「あ!!」

「!?今度は何.....」



怪訝そうな顔をする水上さん。


.....今更だろうけど、もう何のことやらって思うだろうけど、これだけは言っておきたい。



「......さっきの、ゴマ、摺ったんじゃないから。本心だから」



うっかりふざけてしまって、冗談として扱われてしまっていたあの言葉。


ちゃんと伝わって欲しいから、小さい声だけど告げる。


水上さんは目を見開き驚いた素振りを見せ、そのまま停止。



あ、これ、本当に伝わってないかも



焦った私が説明しようと口を開こうとした時。


水上さんの、顔に柔らかい表情が宿った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ