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念ずるも男には伝わらない。



“お前、不良決めてんなら、そんくらいで動けないとか弱音吐いてんじゃねぇよ”



伝わらないどころか、舌打ちまでつけて喧嘩を売ってくださった。


怪我さえなければ、1発決めてやりたいほど腹立たしい。



“なんで喧嘩すんのかね。百害あって一利なし、って言葉知ってるか？”

「………名前も知らないあんたに言う筋合いは」

“別に知りたかねぇけど”



しらーっとした態度で立ち上がり、背伸びする男。



なんだ？この負かされた感じ……すごいムカつくんだが？

このままで終わってたまるかよ



思っている内に、立ち去ろうとする男に向かって声を張る。



「あんた、名前は？！」

“……………”




「甘夏飛翠」



案外、簡単に知れて拍子抜けする。