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昔の痛みが、苦しみが、男をその場に縛り付ける。



「っ………」



悔しい……悔しい悔しい！動け！！動けよ！！！



言い聞かせるのに、男の足は動かないどころか震えまでしてきて。


そんな男が動くのを父が待ってくれるはずもない。



“君のことは個人的によく調べさせてもらったよ。なんせ、×××が元に戻り始めたのは、君が関わり始めたくらいだからね。私は、落ちた者の行く末などどうでもいいが……×××のことになると、どうもヒステリックを起こす者が近くにいるから手に負えなくてね”

「……………」

“なに。そう構えることはない。私は一応お礼をしに来たんだよ。おかげで最近そいつは、ヒステリックを起こさなくなったし。1度落ちたとはいえ、また戻ってきてるのだからね。それもこれも、君のおかげだと言っているんだ”





“そこで、だ。君に頼みがある”























“×××の前から消えてくれないか”














この人は、何1つ変わってなどいなかった。