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暗闇で恋しましょう

第25章 救われたんだ③

情けないけど、それを確認してから男も動き出す。



「あまな」

「てめぇ、ずっと目の端で捉えてたっつーの。お前の親父だろ。俺の睡眠時間、どうしてれんだよ」



憎まれ口と一緒にぎろりと睨まれるけど、今の男には何も堪えず。



「………なんだ、お前。穏やかそうに笑いやがって」

「なぁ、甘夏。あんたからはいろいろ貰いっぱなしだ。いつか、まとめて返させて欲しい」

「?おう………」



お金とか、物ではない。


甘夏がくれたような、温かくて優しい。


そういう、ものを。



いつか、必ずーーーー




























それからあっという間に、一週間が経ち、卒業式。


甘夏の名が、卒業生の名で呼ばれたことには驚きを隠せなかった。

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