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暗闇で恋しましょう

第27章 恋………なのか……?

ぎりっと歯を鳴らし、目から零れるものを隠すように下を向く。



「…………はぁ……」



その様子に呆れたのか、頭上から息が吐かれたかと思えば、私の手がやんわりと避けられた。


その考えを持つことさえ、この関係では許されないのだろうか。


好きになって、なんておこがましい事は思わないのに。



「………もう、16、だもんな。騙せはしないか」




「顔、上げんなよ。そのままで、いろ」




ぼそりと独り言のようなそれが、耳に入った次の瞬間。


私の体が何か温かいもので包まれた。



…………………え?



私の鼻を擽るのは、同じ洗剤のはずなのに何倍もいい匂いのするひぃちゃんの匂い。



え?え?え?????



なぜこんなに強く匂うのか。

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