テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第28章 俺とあいつとそしてーー……

まさかの、私の、墓穴で。



「今のが決め手となったとはいえ、なんとなーく、そんな気はしてたけどな。あの日、遊園地のこと、俺全く責められなかったし」

「っっ」

「ずっと頑張って隠してたみたいなのに、やっぱなんか詰めが甘いのな」



おでこにある指をぐりぐりと動かすひぃちゃん。


多少痛いけど、自分を戒めるには丁度いい。


本当に、その通り過ぎて。


必死に“いつも通り”を心掛けていたのに。


たったこれだけで、その努力を水の泡にするとは。


私は、バカか。



「………ま、別に良いんだけどな」

「………え?」

「別にいいって言ってんの」



私のおでこから手をどけ、ひぃちゃんは軽くそう言葉を吐いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ