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暗闇で恋しましょう

第30章 俺とあいつとそしてーー……③

観覧車のてっぺんで、なんて俺らしくもなくロマンチックに。



「はぁー楽しいね。ひーちゃん」

「その呼び方止めろって。バカップルみてぇ」

「バカップル上等よ。だって、私たち、バカップルじゃない」

「カップルはいい。バカップルは許さん」

「何、それ」



バカみたいな会話もああいう場では、楽しくて仕方なくて。


こんな日を永遠にするために、絶対失敗するもんかって、意気込んでた。


でも、青々としていた空は午後になるにつれ曇ってゆき、小雨まで降り出してしまった。


幸い乗り物は、停止するまでもないくらいの天気。


それでも雲の様子は、今後、もっと悪くなることを示していて。


プロポーズを予定している観覧車は、空に近くなる乗り物だ。


万が一でも、嵐が来て雷なんておった挙句にはーーー

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