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暗闇で恋しましょう

第30章 俺とあいつとそしてーー……③

考えただけで怖くなり、観覧車でのプロポーズを諦めようとする俺の袖が引っ張られる。


見遣れば、守がいて。



「?どうした?寒いか?あいにく天気はこれから崩れそうだし、車に戻って」

「観覧車、乗ろう?」

「………いや、ダメだろ。これからもっと天気悪くなるだろうし。てっぺん怖いし」

「だ、だって、最後は観覧車乗ろうって言ってたし」

「それは、そうだけど………」



どこか必死そうな守を見て、違和感を覚える。


でも、俺は覚えただけで、声にも出しやしなかったんだ。



「っ…………じゃあ、いい………」

「!守?!」



俺の制止の手を振りほどき、駆けて行く守。


追いかけようとするも、突然の大雨に慌てる人々に邪魔され、俺は守を失ってしまった。


しかし、幸運なことに、行き先は分かってる。


“観覧車”だ。


急いで行って、見付けないと。

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