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暗闇で恋しましょう

第30章 俺とあいつとそしてーー……③

自分に言い聞かせるのに、俺の足はなにかを確信したように走り出していて。



「ちょっと!!何してるんですか!!!危ないですから、離れて下さい!!!!」

「離せ………離せぇえええええ!!」



スタッフ2,3人に抑えられながら、俺は必死にもがいた。


だって、見えてしまった………見えて、しまったんだ。


ゴンドラが落ちるその時ーーーー
















中にいる守の恐怖する顔が















「ぁあああああああああ!!!!!離せぇえええええええええええええ!!!!!!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」



確かにあれは、守だった。


他でもない愛する人だった。


俺はその場に泣き崩れ、どうすることも出来ず。


ただただ、もう会うことは出来ないであろう愛する人の名を泣き叫んでいた。

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