暗闇で恋しましょう
第30章 俺とあいつとそしてーー……③
その後、自分が何をしたかなんて覚えていない。
気付けば目の前に、顔に布をかけた守らしき人物が台の上に横たわっていて。
違う。守のはずがない。きっとここに寝ているのは他人だ。
そんなはずないのに、布に手を伸ばす俺はそう本気で思ってた。
だけど、その手は布に届かず、代わりに来たのは頬の痛み。
ばきっ
どさっ
「っ」
「あなた!なんてことを!!」
近寄ってきた女性の目は、真っ赤に腫れていて。
それでも見たことがあるその顔は、確かに守の母親だった。
「やはり、お前なぞに守を任せるんじゃなかった!もう2度と、守の前に姿を現すな!ここからも出て行け!!!」
俺を睨む目は血走り、興奮しているのか息も絶え絶えな男性は、おそらく守の父親で。