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暗闇で恋しましょう

第31章 俺とあいつとそしてーー……④

ひぃちゃんが撫でた頬に自分の手を添え、ひぃちゃんを見詰める。



ねぇ、ひぃちゃん………その行為も、私が守さんに見えたから……?



そう思えば、ひどく苦しい。



「ねぇ、ひぃちゃん………教えてよ……」



目を瞑るひぃちゃんに呟くけれど、もちろん答えは返ってこなくて。


知りたい。


知りたい、けど、今は。


未だに眉間に皺を寄せ、苦しそうなひぃちゃんを、少しでも楽にさせてあげないと。


狭い部屋とは言え、私の力でひぃちゃんを布団まで運ぶのは難しい。


ならば、とそっとひぃちゃんを床に寝かせ、抱えるは敷布団。


意外にずしりと我が身に降りかかる重み。


そういえば私、自分で布団をどうこうなんて、今までしたことがあっただろうか。

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