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暗闇で恋しましょう

第32章 遊園地

このまま、寝てしまいそうだ。


うつらうつらとしていれば、目の冷たさが消え、私の顔に影が落とされた気配。


うっすら目を開ければ、私を覗き見る、ひぃちゃんと目が合った。



「具合は?」

「うーん………ぼちぼち」

「………座って高いとこ行くくらいなら行けるか………?でも回るしなぁ………」



ぶつぶつ呟くひぃちゃんの視線の先を追えば、見えるはくるくる回る観覧車で。



………やっぱり、乗るんだ



ここに来てから、度々ひぃちゃんの視線はあれに向けられていた。



「ここまで来て、乗らねぇって選択肢はねぇんだわ」



ずばり、心を見透かされてしまった。


きっと顔に出ていたんだろうな。

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