
暗闇で恋しましょう
第33章 だから、きっと、この涙は
「………ま、結果、気付いたら涙、流してんだから世話ねぇんだけどな」
「焦ったよ。お前いるし。情ねぇって。やっぱり、怖いんだ。辛いんだって」
「でも、な」
「気付いちまったんだよ。俺。この涙は、怖いとか、辛いとか、負の感情からじゃねぇって」
「だって、心晴れやかだったんだ。重荷が全部下りたような」
「その時に、頭に過ぎった守はそれはもう顔いっぱいの笑顔浮かべて」
「泣いてるでも怒ってるでもなくてさ」
あぁ、そうか。
だから、ひぃちゃんにつられて泣いた私の気持ちも……
「俺、勝手だけど、思ったんだ。許されたんだって」
