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暗闇で恋しましょう

第34章 これからも…………なんて

マスクに帽子だったけど、それでも観覧車で手を引いてくれた時、ひぃちゃんは王子様に見えたんだから。


それはそれは様になることだろう。



「………具合悪くなるの覚悟で乗ることねぇか。よし。じゃあ行くぞ」

「?」



“帰るぞ”ではなく、“行くぞ”?


一体、どこに?



「良いホテル」



私の心の声に呼応するようにひぃちゃんが発した言葉。


それを合図に車は発信。


思考停止した私の頭。


過ぎったのはなぜか







『でも、やっと気付けたんだ。やっと、未練ってのが晴れたんだ。それもこれも俺がーー』

『ーーーお前を』








係員に遮られたひぃちゃんの言葉だった。

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