テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第34章 これからも…………なんて

“どこにも行かないか”の問いに“行かない”と、ただ一言さえも。



「こんな高級ホテルなかなか来れねぇし、ルームサービスでも頼んでみるか?アラームも付けてみたり、さ。すごくいい目覚めだったりしてな」



なんで今、その事を思い出す。


なんで、なんで………


目頭が熱くなり、それがモノとして零れる、前。



「あ、そうだ。今日のこと、このふかふかしたベッドに寝転がって話すのも、っ!」



ぼふん!



私はひぃちゃんを押し倒した。



「いきなり、な」

「触って、ほし………ひぃちゃんに、触って、ほしい………」



長年の欲が浮彫になったのではない。


私は悟ってしまったのだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ