暗闇で恋しましょう
第5章 眠れぬ夜は
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負けに負けて、負け続け。
もはや“勝った方”の定義が分からなくなった頃。
ふるふると震える体。
それは疲れからではなく。
喜びから。
「やっっっったぁあ!!勝ったぁ!」
手元に1枚も残っていない喜びを、万歳をし表す。
分けられたトランプにジョーカーが入っている率100%。
ジョーカーを取られない率100%。
ひぃちゃんが分けるからこうなる、と難癖をつけ自分で分けるも、ジョーカーがまたも入っていたり、戻ってくる率100%。
そんな苦しい状況からの勝利。
喜ばずにはいられない。
「.....弱過ぎだろ....」
ひぃちゃんの声は、敢えてスルー。
過程はどうであれ、勝てばいいのだ。勝てば。
ふふんと得意気に鼻を鳴らせば、呆れたように息を吐かれた。
「ひぃちゃん、勝ったよ!」
何も無い両手をぱーっと出し、見せ付ける。
そうだな、とどうでも良さそうにひぃちゃんは告げる。
「勝ったんだよ?つまり、あの約束の使用権は私にある」
「......」
言葉を発さずじっと見詰めるひぃちゃんの言いたい事は分かっている。
“いやいや、勝ったの俺じゃね?”
うん。私も、そう思う。
負けに負けて、負け続け。
もはや“勝った方”の定義が分からなくなった頃。
ふるふると震える体。
それは疲れからではなく。
喜びから。
「やっっっったぁあ!!勝ったぁ!」
手元に1枚も残っていない喜びを、万歳をし表す。
分けられたトランプにジョーカーが入っている率100%。
ジョーカーを取られない率100%。
ひぃちゃんが分けるからこうなる、と難癖をつけ自分で分けるも、ジョーカーがまたも入っていたり、戻ってくる率100%。
そんな苦しい状況からの勝利。
喜ばずにはいられない。
「.....弱過ぎだろ....」
ひぃちゃんの声は、敢えてスルー。
過程はどうであれ、勝てばいいのだ。勝てば。
ふふんと得意気に鼻を鳴らせば、呆れたように息を吐かれた。
「ひぃちゃん、勝ったよ!」
何も無い両手をぱーっと出し、見せ付ける。
そうだな、とどうでも良さそうにひぃちゃんは告げる。
「勝ったんだよ?つまり、あの約束の使用権は私にある」
「......」
言葉を発さずじっと見詰めるひぃちゃんの言いたい事は分かっている。
“いやいや、勝ったの俺じゃね?”
うん。私も、そう思う。