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暗闇で恋しましょう

第37章 幸せな話

ヤケになり、続け様に蹴ってみせるも、ひらりふわりとスカートを揺らし避け続ける杏。



「はぁ、はぁ……」



終いには、当たる前に俺の息が上がるという醜態を晒すハメに。



くそだせぇ……



大人気ないことなどするものじゃないな。


ふぅと息を吐き、気持ちを落ち着かせる。


とりあえず、濡れたままはまずいかr



「ひぃちゃん!!」



呼ばれた拍子、下げてた顔を上げれば、見えたのは俺に向かって“落ちてくる”杏で。



「?!」



ばっしゃーん!!!!



状況を把握したとて、できることなど限られていて。


俺は杏を庇うよう抱き締め、そのまま海へダイブ。


思いっきり鼻と口に海水が入った。

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