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暗闇で恋しましょう

第38章 幸せに

飛翠はそんな杏ちゃんをそれはもう、愛しそうに撫でていた。



「…………」

「…また、泣くだろうな。きっと」

「絶対、の間違いだろ」

「はは。そうだな。違いねぇ」



飛翠の目が俺を真っ直ぐ据える。


その目は死んでおらず、しっかりと光を帯びていた。


そのことに、なんとなくホッと胸を撫で下ろす。



今から起こるであろう事を考えると、なんでんな目してられんだって思うけどな



「…………これから、警察でも突入してくんのか?」

「流石だな。その手筈だ。なるべく静かにな」



ちらりと飛翠は杏ちゃんを見、しーっと合図をした。


どんな言葉で警察を呼んだんだ。


こいつは。

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