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暗闇で恋しましょう

第7章 酔っぱらいの戯言(=本音)

ちゅっと音を立て、キスをした後、そこを確かめるようぺちゃりと舐める。


快感とは違う何かが、背筋を這う。



「飛翠は杏ちゃんにこうやって触れないし、優しくだってない。それに……」




「加害者と被害者っていう壁がある」




鋭い視線が私に刺さり、すっと頭が一気に冴える。



なに………?

今日の水上さん、なんだか、怖い



水上さんから逃げたくて、胸を押し返すけどうんともすんとも動かない模様。



「ゃ………」



気持ちはかぼそい声として出るけれど、水上さんには届かないのか。


はたまた届いているのに知らぬふりなのか。


私の上からどく気配はミリ単位だってない。


それどころか



「?あれ?酔いから覚めちゃった?ごめんね。今は、酔ってて欲しいんだ」



意図がつかめぬ言葉を吐き、ウィスキーボンボン丸ごと1つを私の口元に押し当ててくる。


酔ったら思考など無いに等しいし、力だって今よりもっと出ないと理解した私。


そう簡単に開けるものかと抵抗を試みる。


が、しかし



「杏ちゃん、あーん」



言葉に相反していつもより低い声は、いとも簡単に私の口を開けさせた。

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