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暗闇で恋しましょう

第7章 酔っぱらいの戯言(=本音)

その刹那、ころんと入ってきたウィスキーボンボン。


たちまち口の中が、チョコレートとアルコールでいっぱいになる。


うっと吐き気を催し、吐き出そうとするけれど、塞がれてしまえば為す術はない。



「よく噛んで。飲んで」

「ん、ん、くっ……」



水上さんって、実はドS?!



怒るとガチで怖い、というのはひぃちゃんから幾度も聞いたことあるけども。


笑顔で口塞いでるし、なんかもう怖いという感情からなのか、口を覆われて苦しいからなのか。


よく分からないけど、涙が出てきた。



それもこれも、飲んでしまえば楽になります

さあ……さあ………



耳元で囁くは天使か悪魔か。


もうどちらでもいい。


もぐもぐと飲める程度に噛み、ごくんと飲み込む。


1分経たぬうち。


体を包むは暖かい何か。


頭もぽわーんとしてきて、陽気な気分の再来。


もう怖いとか辛いとか一切合切消えていて。


今すぐにでも踊って歌いたい気分。


気持ちはすぐに体に伝達。


抑えられているけれど、手首は動くからぱたぱたと。


足も開いたり閉じたり。


アホみたいだけど、そんなことがとても楽しい。

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