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暗闇で恋しましょう

第8章 お買い物1

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うーんと悩み始めて数十分。


現在服屋。


右手には、裾に向日葵が描かれているワンピース。


左手には、胸元にフリル、腰にリボンのワンピース。


季節を考えたら右手。


だけど、可愛いのは左なんだ。


こういう時は、人に聞くのが1番。


バッと後ろを振り返り、ひぃちゃんに2着とも差し出す。



「どっちが可愛いと思う?」

「………お前、何回同じ質問俺に投げかけるつもりだよ」



そう。実はこの質問これでもう3回目。


でも、彼氏と来たなら1度はしておきたいことNo.



「誰か彼氏だ」



出ました。


ひぃちゃんの“心を読む”!



「某ボールに入ってる生き物の技名みたいに言うなよ」



ここまで読まれると、関心というか、若干気持ちわr



「顔に出すぎなんだよ。お前って奴は」



ひぃちゃんのその理屈でいけば、今思ったことももちろん顔に出ていたのだろう。


びしっと軽めのチョップを食らってしまった。



そんなに出てるかなぁ……



両頬を両手でぐにぐにマッサージしながら、質問の答えをひぃちゃんに促す。



「で、どっちが」

「“どうせ家にいるんだから、どっち着ても同じだろ”」



きっかり3回目。


一言一句間違わずに吐かれてしまった。

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