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暗闇で恋しましょう

第8章 お買い物1

ひぃちゃんはそろそろ気付くべき。


3回も同じことを聞く私の



“ひぃちゃんに私の着る服を選んでもらいたい”



その心理を。



ううん。違う。ひぃちゃんは絶対汲み取ってる

その上で、決めないという選択をしてるんだ



その理由は恐らく、私のテンションがハイになって面倒だから、とかそんなもの。


それが分かってるからといって、私はその結末を変える気は無いわけだけど。



だって、ひぃちゃんに選んでもらった服だよ?!

それ着れば、ひぃちゃんに犯されてるも同然!(←?)



こうなったら何が何でも選ばせてみせる。



「ひぃちゃんが、“好きなのは”どっち?!」

「……右は夏しか着れない。左は汚れが目立つ。よって、どっちも嫌い。以上」



………すごい。


ここまで選ばない意思を表示されると、ある意味天晴れ過ぎる。


戦意も喪失するというものだ。


仕方なく、2着とも元あった場所に戻す。



「なんだ。買わないのか」

「だってーひぃちゃんがー」

「俺は関係ねぇだろ。お前が気に入った方を選べば良いのに」



私の心理を知っているくせにそんなことを言う。


意地悪にも程がある。

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