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暗闇で恋しましょう

第10章 お買い物3

今回の俺は早速やらかした。



逃げるって。なぁ、おい…

嫌でも何かを悟らざるを得ないだろうが…



自分の馬鹿な行動に深い溜息。


されどしてしまったこと。


もう回収はできない。


俺に残されたごまかし手段は、再会した時の立ち回りの上手さのみ。


そんなものでごまかし切れるのか定かではないが、これにかけるしかない。


その為にも、とにかく杏と再会しなければいけないのだが…


来た道を振り返り、はぁと溜息を吐く。


いつしか俺は、杏に言ったのだ。


“万が一の可能性”として、俺とはぐれた場合のこと。


あれだけ“万が一”を強調してた本人が、その可能性を起こしてしまっているのだから、仕様もないのだが。


俺とはぐれた時、杏がすべき行動として挙げたのは



その場から動かないこと



祥人に電話をすること



たったの2点。


だけど俺は自信を持って言える。


杏はこれを覚えていない。


なぜって、記憶に残る、これを聞いている杏があまりに無関心だったからだ。


“万に一つでも無い”、そう前置きした俺も悪いと思うが、人の話を聞かないのもどうかと思う訳で。

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