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肉食系な彼氏。

第5章 小さな羊と狼さん

「俺んとこな、大阪の堺に転勤してから5年後に親が離婚してな
おかんは離婚と同時に
こっち戻ってきてんけど
おとんは堺で仕事してるから
残るゆうてな」

「えっ…あんなに仲良かったのに離婚なんて…」

「そいで一度はおとんと
二人で暮らしててんけど
3ヶ月前におとんが死んで
おかんとこ戻ってきたっちゅうわけや!」


そんな………


「まあ昔からなんかギスギスしてるなぁとは小さいなりに
感じててんけどな!」


ハハハと笑う奏くんに
胸がきゅうぅと苦しくなった

これ以上なんて声をかけたらいいのかわからなくなっていた


「美桜~
そんな顔せんとってやぁ
俺はこっち帰れるって聞いたときめっちゃ嬉しかったんやで?」

「……」

「また美桜に会えるって。
あっち行ってる間もお前のこと忘れたことなかった…」


さっきまでの奏くんとは違う、真剣で真っ直ぐな目。


「美桜、約束思い出してくれた?」


ドキッと胸が鳴った

いや、ズキッかもしれない




小さい頃の約束。

桜の木の上で誓った約束。


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