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肉食系な彼氏。

第5章 小さな羊と狼さん

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「美桜ちゃん!美桜ちゃん!
早くこっち来て~!!」

「ち、ちょっと待ってよ
怖いよぉ~」

「早く!ね、手掴まって!
怖くないから」


大きな大きな桜の木


桜は咲いてない

季節は夏。


青々としげった桜の葉が
ちくちくと顔にあたる


「奏くん高いよ、落ちたら
死んじゃうよ~
ねぇね~もう降りようよ~」


桜の木の上から見る景色は
すごいから一緒に登ろうと
言った奏くんの言葉を今更ながら恨む。

ついてこなきゃよかったと
心底後悔した

足がすくむ
予想以上に高い。


目の前から何かが落ちてきた

もぞもぞと動くそれを見て
あたしは叫び声をあげた


「わーーーっ!
毛虫毛虫毛虫~!!」

「えっ、毛虫ぃ?
美桜ちゃん大丈夫?
早くこっちまでおいで」


他人事のように言う奏くん


「無理だよぉ~怖いよぉ~」


ついにあたしは泣き出してしまった




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