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肉食系な彼氏。

第5章 小さな羊と狼さん

「わー!美桜ちゃん泣かないで!
ほら、おいで?あともう少しだから!ね?」


わたわたと動揺する奏くんの
手に掴まり木の枝に足をかける


「うぅ…っぐ…ひっ…ひ…」

「ごめんね美桜ちゃん。
でも美桜ちゃん自分の力で
上まで登れたよ!ほら、見て
綺麗でしょ?」


目をあけ飛び込んできた光景に
あたしは驚愕した


「うわぁあ…すごい…」


いっきに開けた視界

周りには何もない

あたしと奏くんだけの世界

穏やかな風が「よく頑張ったね」と言わんばかりに
あたしの髪の毛を優しく撫でる


全てが心地よかった。


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