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斉藤太一です

第21章 運動会

「大丈夫だよ

ケガはたいしたことないみたいだ
よかったね、しずく」




「でっもっ

いった・・うっ・・」





「しずくは偉いなぁ

痛かったのに
ちゃんと一人で
立てたじゃないか


偉かったから
おんぶして帰って
あげような」





「うっうん

おぶって・・かっえる・・・」





そんなことをしたら
かすみに
叱られるかな・・

そう
思ったから

僕はもう
かすみを見ないで
しずくをおぶってやった



小さくて
運動会でも
一番後ろに並ぶ
しずくは

背の高い僕に
おんぶされるのが
大好きなんだ




僕の
背中に乗ると

しずくは
急に静かになり

僕の首に
ぎゅ~っと
しがみついた




その瞬間

僕の胸も
ぎゅ~っとなって
胸が熱くなる



しずくが
大切で仕方ない

不器用な
愛の注ぎ方しか

・・分からないけど。





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