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斉藤太一です

第5章 似合わないだけ

連絡先を
交換して
君が僕の部屋に来たのは

それから
3日くらいしてからだったね



僕がアパートに帰ると

君は
部屋の前で
コンビニの袋を
持って立っていたんだ


少し
肌寒くなったからか

君は
カーディガンを
はおっていたね




肌の露出が
少なくなって

なんだか
ホッとしたりしていたんだよ


おかしいだろ?



なんだろうな・・・



君が
僕のものでも
なんでもないのに


やっぱり



他の男の人に
あんまり
見せたくない



なんて





思ったりしていたんだ




君は
僕を見るなり


「遅い」


そう言って
また文句を言っていたね




でも
その時は

いつもと違って


君は
笑っていた




「遅い」


って言いながら



微笑んでいたんだ






相変わらず
君は
お化粧をしていたけど


笑った君を見て


僕は

高熱を出して
素顔で眠っていた君を
思い出していたんだよ




素直な




とてもいい
笑顔だった




何かいいことが
あったのかい?



何か
うれしいことが
あったのかな?




君が笑うと

僕まで
うれしくなるんだ




ずっと



そんな君を
見ていたいと


思っていたんだよ

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