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斉藤太一です

第8章 大人になりたい


僕は

君の素顔が
とても
好きなんだけど



かすみは

やっぱり
いつも



お化粧をしていたね





君の素顔は

まるで
赤ちゃんみたいで



僕は

好きだったんだけど




「かすみちゃん」




「なに?」




「いつも・・・お化粧をしてるね」




「うん」






「お化粧が・・・好きなの?」









「嫌いじゃないけど・・」








「・・うん」









「好きだからしてるって言うより


若く見られたくないから」







「ん?」





女の人はみんな
若く見られたいんじゃ・・ないのかい?





「私・・ちょっと童顔で・・」





うん

知っているよ


それが
僕は大好きなんだけど






「若くみられちゃうから嫌なの


早く



大人になりたい」










「そうか・・・


うん

僕もそんなことを
思っていた頃が
あったような気がするよ



もう
ずっとずっと
前のことだけどね


今は
大人って大変だから

学生の頃が
よかったな・・・なんて
思ったりするんだけど」







「大人の方がいいよ」






「そうかい?」






「大人の方がいい」











「・・そうか。」










「うん」

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