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第11章 最後の夜



桃子「先輩、嫌いっ」

結衣「ごめん」

桃子「ふんっ、もう知らない」

結衣「ちょっと」


温泉の写真
まだ撮り終えてないのに
桃子は一足早く部屋に戻ってしまった

結衣と女将さんを残して…


結衣「もぅ…」

女将「二海さんから聞いてた通り」

結衣「えっ?」

女将「深沢さんは真面目で一生懸命な人
だって」

結衣「…」


何故、今ここで篤の名前が出てきたのか
篤と女将さんは初対面のはず
それなのに…


結衣「…あの」

女将「深沢さんが取材交渉をしてる時に
二海さんがお客さんとして来てくれたん
ですよ」

結衣「そうだったんですか…」

女将「彼女なら素敵な記事を書いてくれ
るはずだからどうか取材させて下さいっ
て必死にお願いされちゃって」

結衣「…」


頑張って取材交渉し
自分の力で自分が頑張ったから
取材出来るようになったと思っていたが
本当は違った

自分の知らないところで篤が動いていた
動いてくれていた


雑誌の為
そんな事わかってる


だけど勘違いしてしまいそうだった


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