嘘
第14章 自業自得
篤「まだ10年だよ…」
さくら「…」
悲しい表情で
さくらの左耳に触れた
見た目には全くわからないが聞こえない
全く聞こえてない
自分のせいで聞こえなくなった
さくらの左耳
篤「俺が意地張らずにいれば…」
さくら「…」
10年前
大学生だった二人
付き合ってはいなかったが相思相愛
友達以上、恋人未満の関係
だけど…
さくら「今日?」
篤「うんっ、一緒に飯でもどう?」
さくら「いいよ」
勇気を出し
さくらをデートに誘った
篤はこのデートでさくらに告白しようと
決めていた
だけど一部始終を見ていた
男友達から…
男友達①「何、何、デート?」
男友達②「えっ、篤デートするの?」
篤「違、デートじゃねえし」
友達にからかわれ
篤はさくらとの約束を破った
夕方の5時に
店の前で待ち合わせだったが
雨が降り始めたし一応、断りのメールも
送った
いるはずがない
絶対にもう帰ってるはず
そう思いながらも店に向かった篤
だけど店の前には…
さくら「…」
篤「さく、ら…さくら!?」
雨に濡れずぶ濡れのさくらがいた