嘘
第16章 本当の嘘つき
慶一郎「…」
だけど
現段階で確証はない
俺は結衣を信じているし信じたい
結衣は俺の出生を知っている
浮気、不倫に対し人一倍敏感な事も
だから有り得ない
結衣が浮気するなんて他の男とセックス
するなんて絶対に有り得ない
絶対に…
そう思っていた
だけど…
慶一郎「あっ、牛乳買うの忘れた」
結衣「私買って来るよ」
慶一郎「いいよ、俺行ってくるから」
結衣「でも」
慶一郎「その間に昼飯よろしく」
結衣「うんっ」
牛乳を買いに
買い物に出かけた俺
だけど途中、携帯を忘れた事に気づき
戻った
戻ってしまった
彼がいた事も知らずに…
慶一郎「…?」
ドアノブに手をかけた時
微かだったが部屋の中から聞こえた物音
その声に耳を疑った
まさか…
結衣「もう少し…このまま…」
篤「…うんっ」
慶一郎「…結衣」
結衣は浮気していた
しかも相手はあの二海篤だった
会社の上司で彼女がいて俺の憧れだった
二海篤
慶一郎「…」
その瞬間、俺の中で何が壊れた
激しい音を立てて…