嘘
第17章 物語の始まり
桃子「じゃあお願いします…」
篤「わかった」
結衣「んんっ…」
篤「…」
彼女をタクシーに乗せ
免許証に書いてある住所へ向かった
かなり泥酔してるようで抱き上げても
全く起きる事はなく
眠っていた
運転手「ありがとうございました」
篤「…」
結衣「…んっ」
彼女をおんぶし
部屋まできちんと送り届けた
起きる様子もないし戸締まりして帰れば
いいのだが…
篤「…」
俺は帰らなかった
特に何をするわけでもなく
ただ彼女の寝顔をずっと見つめていた
ずっと…
結衣「…うぅ…っ」
篤「!?」
寝返りを打ち
彼女は寝苦しそうにしていた
どうやらスーツのまま寝かせたから苦し
いらしい
このままじゃスーツがシワになる
少し悩んだがスーツだけ
脱がせる事に
篤「…」
結衣「ん…」
疚しい気持ちはない
だけど好きな人に触れその体を見れば
反応してしまうのが健全な
男子たるもの
篤「我慢だ、我慢…」