嘘
第7章 招かれざる客
慶一郎「ただいま」
結衣「お帰りなさい」
慶一郎「寄り道してたら遅くなっちゃっ
た、ごめん」
結衣「ご飯出来てるから食べよう」
慶一郎「うん」
篤に出したお茶
篤が持ってきた手土産
それらは綺麗に片付けられ跡形もない
証拠隠滅は完璧
本当、自分でも嫌になるほど…
慶一郎「美味しそう、いただきます」
結衣「いただきます」
何事もなかったように普通に接する結衣
だけどそれは結衣だけでなく
彼の方も同じで…
篤「…!!」
さくら「お帰りなさい」
篤「…ただいま」
さくら「ごめんね、連絡もしないで来て
迷惑だった?」
篤「合い鍵渡してるんだから、そんな事
気にしなくてもいいよ」
さくら「うんっ」
篤「…」
連絡なく
さくらが家に来る事
付き合っているし合い鍵を渡している為
そんなに珍しい事ではなく
驚きはしない
ただ今日ばかりは…
さくら「篤さん」
篤「何…」
さくら「ううん、何でもないっ」
篤「…」