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第7章 招かれざる客



桃子「二海さん、原稿のチェックお願い
します」

篤「わかった」

結衣「…」


昨日あんな事があったのに
篤は結衣を見ても顔色一つ変えず
仕事をしていた

まるで昨日の事が嘘のように…


結衣「…」


自分だけドキドキしてる
自分だけ変に意識してるみたいで
恥ずかしくて
虚しくて


結衣「…ダメだ…集中出来ない…」


このままでは仕事に集中出来ないと
給湯室へ向かった結衣

やかんを火にかけ
気持ちを落ち着かせていると…


結衣「…きゃっ!!」

篤「静かに…」

結衣「二海さん!?どうし…」

篤「職場だけど…あんま素っ気ない態度
するなよな」

結衣「…っ…だって」


給湯室という
誰もが訪れる場所

危険と隣り合わせの状況にも関わらず
篤に抱きしめられ優しく触れられ
ドキドキしている
自分がいた


篤「結衣、こっち向いて」

結衣「…ダメっ」

篤「結衣」

結衣「…ッ」


ダメだってわかってるのに
そんな風に名前を呼ばれたら振り向かず
にはいられない
だって…


結衣「…だって」

篤「?」

結衣「昨日の事…思い出しちゃうから…
だから…」

篤「別にいいじゃん」

結衣「!!」


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