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第2章 出会い

青「あ、これ亮も好きなんや…」





僕が中学時代にハマってたバンドのCD





割とマイナーで通は少ないけど、ええ曲出してて僕はこのバンドが好きやった





正直、亮のことは何も知らない





知ってることは大阪から来たこと、名前が亮ってこと、僕が好きやったバンドが好きってこと、あと、多分やけど、ギターが弾けること





名字も、家族も、過去のことも、僕たちは何も知らない





もしかしたら、本名はちゃうかもしれん





もっと別の名前…





プルルルル…





色々考えてたら携帯が鳴った





誰からやろ…と思い画面を見ると亮と書かれてあった





こんな時間にどうしたんやろ…





お昼過ぎで、まだバイトのはずやのに…





黄「ヤス?俺」





青「うん、分かっとるよ」





黄「今日、三時に上がれそうやねん。こないだ言うてた先輩んとこ行く?」





先輩んとことは多分、亮の入れ墨を彫った先輩のこと





三時まではまだ充分時間はあるし、バイトも何もしてない所謂、ぷーたろーな僕はうんとだけ言った





黄「分かった。先輩に連絡しとくわ。ほな、渋谷に三時半集合でええ?」





青「おん」





黄「決まりな。また後でね。愛してんで、ヤス」





青「僕もやよ。亮」





電話を切ってベッドに座る





狭い部屋にドンと置かれたベッド





座ることはここしかなかった

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