テキストサイズ

第2章 出会い

青「わぁ、すごい…」





奥の部屋は入れ墨やピアスとかの写真が貼ってあって、独特の雰囲気がそこには流れとった





赤「ほれ」





机の引き出しからすばるくんはファイルを取り出し、僕と亮に渡してきた





青「これ、すばるくんが描いたん?」





赤「ううん。お客さんが入れたいデザイン持ってきてもろうて、それコピーしてんねん」





絵は超下手と答えたすばるくん





突如、机からシャーペンとメモを出して何か書き出した





赤「ほれ」





青「…これ何?」





そこには訳の分からんもじゃもじゃしたものが描いてあった





赤「何って…トイプーやんけ」





黄「うわ、いつ見てもトイプーに見えへんな」





画伯並みの下手くそさなんやな…





でも、なんでそんな人が彫り師なんかやってんねやろ…





黄「絵は下手くそやけど、すばるくん、めっちゃ彫るん上手いねん。俺の見たら分かるやろ?」





確かに亮の背中には立派な龍が舞ってる





カッコええと思うし、羨ましいとも思う





赤「まぁ、一生もんやから、ゆっくり考えたったらええよ」





店に出てきて、亮はトイレに行き、すばるくんと二人きりになった





青「すばるくんはどうして彫り師になったん?」





赤「んー、何となく」





青「え?何となくでなれるもんなん?」





赤「何となくでなってもうたな。それより入れたくなったりまたデザイン見たくなったら連絡して。これ俺の携帯」





紙を渡され、中を見ると番号が書かれてあった





青「ありがとぉ。自分で考えたデザインも入れられるんよね?」





一生もんやから出来ればええのを入れたいねん





赤「おん、大丈夫やで」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ