テキストサイズ

悪魔的ドクター

第7章 心配

「これか?栄養剤だ。ちょっと疲れててな…」



『栄養剤』と聞いて
あたしは少しホッとした。



「良かった…。点滴するほど大変なんですか?」


「あぁ。この1ヵ月、仕事が本当にキツかった…。寝る時間もほとんどなかったから」


「仕事…ですよね。あたしと顔を合わせたくなかった…とかじゃないんですね?」


「は?そんな訳ないだろ」



その言葉に
更に安堵した。

『もしかして』って
少し考えてたから…。


先生がそんな事言う訳ないのに
勝手に被害妄想してた。



「本当…良かった…」



安心して何度も独り言の様に
『良かった』と呟いてしまう。


先生が病気じゃかった事
あたしと顔合わせないようにしてたんじゃなかった事


どっちも嬉しかったんだ…



「どうして…泣いてたんだ?」


「え?」


「もしかして、俺の事が心配だった?」



先生はソファの肘置きに寄り掛かりながら、悪戯っぽく微笑む。


からかわれてる様なそんな気がして、ムカッとした。



「…当たり前です。心配しちゃ悪いですか?」


「え?」



「本当に何か病気なんじゃないかって、不安で心配で…」






ストーリーメニュー

TOPTOPへ