悪魔的ドクター
第9章 ストーカー
1週間経ち
彼に会った事も
すっかり忘れていた、あたし。
━━━……とある日の昼休み。
大学の資料室…。
あたしはよくここを利用する。
講義やレポート等に使う資料は
すべてここに保管されていて
自由に読む事が出来る。
それはもちろんの事だけど
この資料室は個室があり
まわりを気にせず静かに勉強が出来る、画期的な設備もあって気に入ってる。
イメージは『漫画喫茶』って所だろうか。
いつもの様に資料棚で探してた書類に手を伸ばした時。
「あ」
「ッ!?」
また彼に出逢った。
偶然にも
同じ資料に手を伸ばしていた。
「先どうぞ」
「え、あ、いえ…」
先に譲るもなかなか受け取らず
モジモジしている男子生徒。
…困った。
「あたしの事は気にしないで、使ってください」
ペコッと小さく頭を下げ
あたしはその場から離れて
個室へと移動した。
彼は話をするのが苦手なのかな?
恥ずかしがりや?
それとも性格か。
どちらにしろ
意思の疎通に時間が掛かりそうな人だね。