テキストサイズ

悪魔的ドクター

第9章 ストーカー

あたしは少し…じゃない
かなり油断してた。



━━━━
━━…



「気配を感じるって?」


「…うん」



講義が始まる前
1番後ろの端の席で
隣に座る明里に打ち明けた。

『最近…変な気配がする』って。



「気配って…幽霊とか?」


「あたし霊感なんてないよ?それに視線っぽいんだよね…」


「じゃあまさか…」


「…まさか?」




ゴクリ




明里が真剣な表情で言葉を詰まらせるから、思わずあたしは息を飲んで返事を待った。



「ストーカーとか?」



…ん?
なんだって?

…ストーカーですか?



「いや、ないない。それは絶ッ対ない」


「なんで言い切れるの?」


「だってたいしてイイ女じゃないし、そんな物好きいないって!」



あり得ないって。
趣味悪いって。(←え。)



「咲桜はねぇ、イイ女だから。あたしが男だったらイチコロだよ」


「そりゃどうも。まったく…真面目に考えてよね」


「真面目だよ~。ストーカー以外だったら、誰かに恨まれてるか」



恨まれてるか
ストーカー…ねぇ。



どっちもイヤ…。



明里には悪いけど
ストーカーだなんて
そんなの身近で起きるなんて
絶対ないって思ってた。


あたしには無縁だと
完全に他人事だった…






ストーリーメニュー

TOPTOPへ