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悪魔的ドクター

第9章 ストーカー

「熱はないみたいだけど…」


「すみません大丈夫です…。ちょっと考え事をしていて…」


「何か悩んでるのか?」


「いえ、そういうんじゃないですよ」



先生に言う程の事もないよね。
あたしの事なんだし
余計な事で迷惑掛けちゃダメ。



「あんまり考え込むなよ?」



先生は
優しいね。


本当、先生の言う通りだよ。
別に何かがどうなるって決まった訳ではないし、イヤな予感はあくまで勘なんだから。


そんなに考えてたって
仕方ないんだよ。



何度も自分に言い聞かせた。
『なんでもない。大丈夫だから気にするな』って。



怖がれば
余計に怖い。


だから何も考えなければ
時間が経てばすぐ忘れられる。



そう思っていたのに…






  ♪~━━━━…




今日の診察が終わりかけた時
あたしの携帯電話の着信音が診察室に響いた。



「病院では電源を切るように」


「はいッ。ごめんなさいッ」



先生に注意され
慌てて鞄から取り出す。


もうすでに音楽は止まり
画面には
【不在着信1件】の表示。



相手は…
非通知…?



…誰?








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