悪魔的ドクター
第9章 ストーカー
━━━コンコン…
「失礼します…」
ペットボトルの水と吸入器を持った咲桜ちゃんは、戸惑い気味に俯いて診察室に通された。
「どうした?」
「すみません…。さっき急に咳が出てきて…」
どうして謝る?
俺は怒ったのか?
そんなつもりはいんだが…
「まだ苦しいか?」
「先生に教えてもらった応急処置したら、だいぶ落ち着きました」
「良かった。喘鳴の確認するから服捲って」
「…はい」
彼女は診察室に入ってからずっと『妙』だった。
元気がない。
発作が起きたから…って
それだけじゃない様な…
俺は精神科ではないから
イマイチわからないんだが…
メンタル的なものが関係してるのか?
「まだ少しあるな…。点滴してくか?」
「いえ、大丈夫です…。喘息の薬と頭痛薬を頂きたいです…」
頭痛があるのか…?
「…わかった」
「ぁの…」
言い掛けて
咲桜ちゃんは言葉を詰まらせた。
なんだ?
言いづらい事か?
たまにチラッと看護師の存在を気にしている。
もしかして…