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悪魔的ドクター

第9章 ストーカー

何の勘が働いたのか
俺は看護師に
『あとは大丈夫』と伝え
診察室から出て行ってもらった。


院内スタッフに咲桜ちゃんと俺は"知り合い"って事になっている。


変な噂でも立てられたら
色々と面倒だからな。


一緒に住んでるなんかがバレたら結構マズイが、とりあえずは"知り合い"で通すつもり。


だからこういう時は
怪しまれずに済む。




さて話を戻そう。



「どうかしたのか?」


「先生…今日は当直ですか?」



普段聞かない事を突然聞かれ
彼女の意図がわからなかった。



「いや?今日は早番だ。ただまだ残って仕事をするつもりだ」


「…そうなんですね」



なんだ?


俺の返答に
咲桜ちゃん…ガッカリした?


…まさかな。



「何か用があったのか?」


「いえ!なんでもないですよッ」



シュンとしたかと思えば
今度はパッと明るく返事をする。

気のせいだったのか…?



「じゃあ、あたし帰りますね」



丸椅子から立ち上がり
俺に一礼した咲桜ちゃんは
診察室を出ていってしまった…。



なんだったんだ?

わからないけど…
何か言いたそうだった…?
俺に何か、伝えたかった?


何か…引っ掛かる。




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