悪魔的ドクター
第10章 恐怖
「倒れてる咲桜ちゃんを見た時…怖くなった」
「え…」
俯いていた咲桜ちゃんは
驚いた様で顔を上げ
目を合わせてくれた。
だから俺は続けた。
「死ぬんじゃないかって…医者のくせに、医者である事を忘れて、自分を見失って…怖くて仕方なかった」
こうなると
羞恥なんてどうでも良かった。
言ってる事は
何も間違っちゃいないから。
「『守る』なんて言ったくせに、何もしてやれなくて…苦しんでいた事にも気付けなかった」
「先生…」
「…本当に悪い。だが…生きててくれて良かった」
そう言った時
咲桜ちゃんは唇を噛みしめ
下を向いてしまった。
「どしたッ!?苦しいか!?」
しかし彼女はフルフルと首を横に振り、小さく呟いた。
「先生は…何も悪くない。そんな…謝らないで…」
その声は震えていた。
彼女は泣いていたんだ…。
涙がポタッ…ポタッ…と
布団に落ちていく。
「なぁ…咲桜ちゃん?」
「…はい」
「俺の為に…何があったのか話してくれないか?」
「え?」
「話してくれない方が迷惑に思うよ。だから…」
「…はい」
「え…」
俯いていた咲桜ちゃんは
驚いた様で顔を上げ
目を合わせてくれた。
だから俺は続けた。
「死ぬんじゃないかって…医者のくせに、医者である事を忘れて、自分を見失って…怖くて仕方なかった」
こうなると
羞恥なんてどうでも良かった。
言ってる事は
何も間違っちゃいないから。
「『守る』なんて言ったくせに、何もしてやれなくて…苦しんでいた事にも気付けなかった」
「先生…」
「…本当に悪い。だが…生きててくれて良かった」
そう言った時
咲桜ちゃんは唇を噛みしめ
下を向いてしまった。
「どしたッ!?苦しいか!?」
しかし彼女はフルフルと首を横に振り、小さく呟いた。
「先生は…何も悪くない。そんな…謝らないで…」
その声は震えていた。
彼女は泣いていたんだ…。
涙がポタッ…ポタッ…と
布団に落ちていく。
「なぁ…咲桜ちゃん?」
「…はい」
「俺の為に…何があったのか話してくれないか?」
「え?」
「話してくれない方が迷惑に思うよ。だから…」
「…はい」