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悪魔的ドクター

第10章 恐怖

せめて眠るまで
傍にいてやりたかったんだが…


さすがにまた拒絶されるのは
ツラいからな…



「吸入器、置いておく」



複雑な心境で
ベッドの上に置く。



「待って…先生」


「ん?」


「…ここに…いてほしい…です」



咲桜ちゃん…



「…平気か?」


「…はい」


「わかった。でも…着替える間は外にいる…から」



男の前で脱がせる訳にはいかないしな。



━━━━━━……



しばらくして彼女の部屋に戻り
出来るだけ離れた場所に椅子を移して腰を下ろした。



「「………。」」



座ったはいいが沈黙が続く。



そんな中
先に口を開いたのは
咲桜ちゃんだった。



「こんな姿見て…先生、驚きましたよね…」



俺と目を合わさない様に
俯いている。



何も答えられなかった。
確かに彼女の言う通り
洋服や痣を見た時は
驚いたから…。



「迷惑掛けない様にしなきゃって思って…言えなかったです…」


「迷惑って…俺にか?」


「…はい」


「お前なぁ…」



この娘…怒ってもいいか?


今は…やめとくか。



代わりに俺は
率直な今の自分の気持ちを
彼女に伝える事にした。






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