テキストサイズ

悪魔的ドクター

第11章 決着

「え、と…それは…」



まさかの大当たりに
言葉が出てこない。

先生は鋭いから
ヘタな事が言えないし。



「安心しろ。ヘタな事はしないから」


「え…」


「俺に任せといて」



そう言うと
ニコッと優しく微笑みながら
あたしの頭をポン、ポン…と
軽く叩いた。


任せろって…
先生は何をするんだろう?



「あッ、悪い!」



先生は急に焦った声で謝ると
パッと手を放した。



「どうして謝るんですか?」


「いや…頭…触れたら…」



『油断した』と
申し訳なさそうな先生。


ずっと気にしてたんだね。



「先生は大丈夫。怖くない…」



それは本当。

パニックの時は
頭の中が真っ白になってたから
声を掛けたのが先生であっても
みんなあの男に思えて
自分でもわかんないけど
恐怖しかなかった。


だけど
先生が冷静に戻してくれて…
頭の中と見てる者が
先生だって理解すると
なぜか安心するの。



「良かった…。そう言ってもらえると助かる。発作の処置に困るからな」



まぁ…
それはそうですけど…

さすが
お医者様。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ