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悪魔的ドクター

第11章 決着

俺が咲桜ちゃんの
(今だけだが)彼氏だって覚えてて言ってるのか?


喧嘩っ早いヤツなら
とっくに殴ってるぞ。

あいにく俺は
痛い事をするのは好きじゃない。

黙らせるなら
強めの全身麻酔でも
注射してやる。
(犯罪ですからやめましょう)



「普通に恋愛しろ。怖がらせず、相手の気持ちを考える。手紙やら花束じゃなくて、しっかり自分の口で話せ」


「アンタに何がわかる…僕に…指図するなッッ!!」



半ば甲高い怒声をあげ
持っていたショルダーバッグから何やら取り出し始めた。


野郎が手にしたのは
小型のナイフ。

大抵こういう男は
口で言って反論された場合
最終手段でナイフを取り出す。

…と、聞いていた。



「物騒なものを持つな。自分の為にも、これ以上、罪を重ねない方がいいと思うぞ?」


「うるさいッ!黙れッッ」



刃先を俺に向け
両手でブンブンと振り回す男の手は、小刻みに震えていた。


ナイフで脅すなんて慣れてないんだろ。
本人が1番怖いんだと思う。

まったく本当に…
色々と厄介な男だ。



「落ち着けって。な?」







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