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悪魔的ドクター

第12章 姉弟

「咲桜ちゃんには感謝してるわ。話せて良かったしね。考えすぎずに、旦那と上手くやっていくわ。本当にありがとう」


「あたしなんて何もしてないですよ!こちらこそ、椿さんにお会い出来て良かったです♪」



椿さんの思いを聞いたけど
あたしには何も出来ず
こうして先生と一緒にいるのに
溝を少しも埋められない。

ごめんなさい…
椿さん。




結局そのまま椿さんを見送り…
姿が見えなくなっても
先生は無言で立ち竦んでいた。



「…先生?」



ボーッと
椿さんの後ろ姿を見ている先生に声を掛けた。



「椿と…何か話したのか?」



先生は前を向いたまま返答した。


その声は
怒ってるような
全てを見透かしてるような…。



「えっと…。女同士の、恋の話…かな?」



家族や生い立ちの話なんて言ったら怒られそうだったから、ザックリ説明した。

"恋の話"には間違いないから
問題はない…



「恋の話…ねぇ」



…はずだったけど
に、睨まれた。



「俺の話題が出たんじゃないだろうな」



うッ…
気付いておられましたかダンナ。



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