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悪魔的ドクター

第13章 元カノ

「私は白石柚花と申します」


「姫宮咲桜です…」



"旧姓"がないって事は
先生の姉か妹って線はなさそう。


じゃあ本当に考えられるのは…



「あの…失礼ですが、白石さんと速水さんって…」


「婚約者です」


「…え?」



婚約者…?

それってつまり
"結婚する"って事?
いや、"結婚していた"?


"元妻"・"不倫"・"愛人"は考えていたけど、"婚約者"なんて…
予想外だった。


なんだろ…
ショック。



「翔灯、まだ仕事かしら…」


「…たぶん」



今日は確か当直。

…って
彼女でもないあたしが先生のシフトに詳しいのは、白石さんからしてみればあまり良い気がしないだろうから…曖昧に答えてみた。



「そう…。じゃあ、これだけ渡しといてもらえますか?」



白石さんに手渡されたのは白い封筒。

ラブレター…?



「ではまた…」



そう言って白石さんはお辞儀をしエレベーターへと歩いて行った。



ここですぐ部屋に入るのも気が引けたから、しばらくその場で彼女を見送った…





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